アップル「iPhone 4S」

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アップル「iPhone 4S」　[腕時計ブランド] [編集]

　アップルは2011年10月4日（米国時間）、米国の本社でイベントを開催し、新しいスマートフォン「iPhone 4S」を発表した。日本では米国の発表を受け5日、報道陣に新製品を公開した。

【詳細画像または表】

　iPhone 4Sは既報の通り、日本ではソフトバンクモバイルとKDDI（au）が取り扱う。発売は10月14日。10月7日から予約を受け付ける。米国での価格は2年契約で16GBモデルが199ドル、32GBモデルが299ドル、iPhoneでは初の64GBモデルが399ドル。日本での価格は未定だ。

　iPhone 4Sは、名前から分かるように、これまでの「iPhone 4」がベースになっている。外観はほとんど変わっていない。変更点は、サウンドオン/オフスイッチと音量調整ボタンの位置とサイズがわずかに違っている点と側面のスリットの位置だ（ソフトバンクモバイル版のiPhone 4との比較）。

外観は一緒でも中身が大きく進化

　iPhone 4から外観はほとんど変わっていないが、中身は大きく変わっている。タブレット端末の「iPad」と同じ「デュアルコアA5チップ」、コンパクトデジカメに匹敵する8メガピクセルのカメラ、下り最高14.4Mbpsの高速なワイヤレス通信など大幅にパワーアップしている。

　動作はキビキビしており、アプリの切り替えも軽快だった。カメラの起動時間、2枚目を撮影するまでの時間も短くなっている。iPhone 4でも動作は軽快だったが、さらにスピードアップしている印象だ。描画性能もアップしており、より高精細なゲームなども楽しめるようになっている。

　OSは今年6月に発表した最新の「iOS 5」を採用する。通知センター、iMessage、リマインダー、Twitterとの統合、写真の編集機能、Safariのタブ表示、リーダー機能など200以上の新機能を備える。Macやパソコンを使ったアクティベーションも不要になる。iOS 5は、iPhone 4Sの発売前の10月12日に無料で提供を開始する。対応機種はiPhone 3GS/4、第3、4世代のiPod touch、iPad、iPad 2。

　iPhoneをより便利にするiCloud

　アップルの新クラウドサービス「iCloud」もiPhone 4Sの重要な機能だ。iCloudは、様々なコンテンツを自分のiOSデバイスやMacで、ワイヤレスで共有できるサービスだ。例えば、iPhone 4S上のiTunes Storeから曲を購入すると、自分のMacやiPadにも音楽がダウンロードされる。これまではMacやパソコンをハブにして、iPhoneとiPadでデータを共有していたが、クラウドサービスがMacやパソコンの役割を果たしてくれる。

　iPhone 4Sで撮影した写真はiCloudに吸い上げられ、自分のMacのiPhotoの「フォトストリーム」に転送される。フォトストリームに保存できる枚数には制限があるが、残しておきたい写真はMacに取り込めばそのまま保存できる。ケーブルでつないだりする手間は一切ない。Apple TVでも写真は見られる。

　iTunes StoreやApp Storeで購入した曲やアプリは、iCloud上に一元管理されているので、iPhone 4Sに買い替えたり、買い足した場合にはiCloudから簡単にダウンロードできる仕組みだ。自分がリッピングした曲がiTunes Store上にある場合、iTunes Storeで購入した曲と同じように扱えるクラウド音楽サービス「iTunes Match」は、米国で10月下旬から開始する。利用料金は年間24.99ドル。年末までにはほかの国でもサービスを開始できるように努めるという。

　NumberやKeynote、Page’sなどのドキュメントをクラウド上に保存し、様々な端末で共有できる機能や1日1回、Wi-Fi接続時にデータをバックアップする機能もある。メールやドキュメントの保存容量は5GB。有料で増やすこともできる。

　「友達を探す」という新機能もある。現在地を友人や家族と共有する機能で、待ち合わせなどに利用できる。

新しいiPod nanoとiPod touchはやや値下げ

　携帯音楽プレーヤー「iPod nano」と「iPod touch」も新機種を発売する。iPod nanoは腕時計に利用するバンドが普及していることから、時計の柄（クロックフェイス）を18種類に増やした。レトロなものからデジタル時計、ミッキーマウスなどのキャラクターも用意する。7色のカラーバリエーションがあり、価格は8GBモデルが1万800円、16GBモデルが1万2800円。従来モデルからそれぞれ3000円、4000円値下げした。本日から発売する。

　iPod touchは新色のホワイトを追加。OSにはiPhone 4Sと同じiOS 5を採用する。iMessageを使ってWi-Fi経由でテキストメッセージをやりとりできるようになる。価格は8GBモデルが1万6800円、32GBモデルが2万4800円、64GBモデルが3万3800円。従来モデルより3000～4000円ほど値下げした。発売はiOS 5と同じ10月12日の予定だ。

ベータサービスを開始する音声操作機能の「Siri」

　iPhone 4Sには、音声を認識して様々な操作ができる「Siri」という新機能を搭載することも明らかになった。ベータ版で英語、フランス語、ドイツ語に対応する。

　発表イベントでは、天気を聞いたり、予定を確認したり、美味しいギリシャ料理のお店を聞いたりする様子を披露。音声検索ではなく、文脈を理解し、自然な言葉でやりとりできるのが特徴という。アラームをセットしたり、口述筆記でメッセージを送信したりもできる。マップやカレンダー、Wikipedia、リマインダーなどと連携している。Siriはホームボタンをホールドすると起動する。どんなことができるかが分かるようにガイドを用意している。

　今回のイベントは、スティーブ・ジョブズ氏がCEOを辞任してから最初のイベントということで、後任のティム・クック氏がどういうプレゼンテーションを披露するかが注目された。クック氏はイベントの冒頭と最後に登場。淡々と落ち着いた口調が印象的だった。「アップルが競合他社をひき離せているのは、各製品やサービスが連動するように設計しているためだ。ソフト、ハード、サービスをすべて統合して消費者に提供しているのはアップルしかない。この会社を心から誇りに思っている」と締めくくった。

（文/三浦善弘＝日経トレンディネット）

(この記事は経済総合（nikkei TRENDYnet）から引用させて頂きました)
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